コンビニはセルフレジでいい

石橋秀仁 (Hideto Ishibashi)
2 min readFeb 11, 2020

いっそAmazon Go方式でいい。無人化の方向性で人員削減したらいい。人不足だし。現代の奴隷船のごとき外国人技能実習生ブラック就労問題の温床だし。24時間営業フランチャイズ契約問題も記憶に新しい。「AIに仕事が奪われる」脅威論はあたらない。

無人物流や無人陳列のために店舗レイアウトや棚を最適化するとどうなるか。機械が人に合わせるのではなく、人が機械に合わせるAI時代の環境設計思想を「エンベローピング」という。ルチアーノ・フロリディ氏の概念。それとショッピング・エクスペリエンスの両立が課題。サービス・デザイン的な。

日本人は「二足歩行ロボットは人間の生活環境に適応できるので将来有望」と考えがち。そうじゃない。ロボットが活動しやすい建築を考えないといけない。そのうえで人間にとってもよい空間であることを両立させねば。そういうアーキテクチャ的な問題設定をしないといけない。環境は与件ではない。

水道やガスや電気を使うためにデザインされた建築物に我々は住んでるわけで。ロボットを使うなら新たな建築的課題が生じるのは当然の話。なにも突飛なことは言ってない。

ロボットのいる家における新たな住まいかたと建築。ロボットのいる職場における新たな働きかたと建築。そういう綜合的な問題設定なしにロボットやスマートホームのことを考えても仕方ない。あまりに保守的で硬直的で後ろ向き。エコシステムやグランド・デザインを描かないといけない。

ロボットを導入するときに、「人は変わらなくていい」「機械が人に合わせればいい」という前提を置くのは大変反動的で良くない。ロボットに限らず、新種の道具を導入すること全般について言える。顕著なのはソフトウェア。

IT投資を通じて生産性を向上するには、ITを人の働き方に合わせるのではなく、人の働き方をITに合わせて変える必要がある。これができないので、日本ではIT投資が生産性の向上に帰結しないということだ。

情報アーキテクトなので、こういう風に物事を考えてる。

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石橋秀仁 (Hideto Ishibashi)

ソフトウェア開発者/情報アーキテクト(IA)/アート・ファン https://hideishi.com