「起業家のメンタルヘルス調査レポート」のリリースに際して
ゼロベース株式会社代表取締役石橋秀仁です。私は2005年からベンチャー企業向けのコンサルティングをしてきました。また、私自身が起業家として2003年に創業しています。今日に至るまで、多くの起業家を見てきました。
彼ら起業家たちは過大なストレス環境にあり、その犠牲からほんのひとにぎりの成功者が生まれます。政府・自治体を始めとして社会が起業家にかける期待は大きいものの、その期待は「結果的に成功する起業家」に事前にかけられる期待なのであって、決して「失敗者の事後ケアまでコミットする形での期待の掛け方」ではありません。これは欺瞞だと思ってきました。
私は起業家が社会にすり潰される状況を変えたい。まずは問題の実態を知って頂くために、「起業家のメンタルヘルス調査」を行いました:
起業家の37%に気分障害・不安障害の疑いあり 一般人の約7倍 起業家のメンタルヘルス調査レポート
この結果を元に、より大規模かつ信頼できる実態調査が行われることや、投資家の業界団体が起業家のメンタルヘルスも含めてケアするような取り組みが始まることを期待します。
起業家をすり潰す社会で、人々は起業を控えます。起業というチャレンジを奨励するならば、起業家の弱さや失敗も含めて面倒を見るべきです。そのような社会になれば、いまより多くの人が起業し、結果として経済はより活発になるでしょう。
より多くの起業家が活躍できる社会を見てみたいと思います。
これを読んでくださった方へ。まずは起業家が高いストレス状態にあることを知ってください。
身近に起業家がいる方は、調子がおかしくなっていないか気を配ってあげてください。
もしあなたが投資家という立場なら、起業家にプレッシャーをかけるだけでなく、どうすれば起業家が弱みを見せられるようになるかも考えてみてください。起業家にとって株主は対立する「敵」ではなく、同じ方向を向いて歩みを進める「友」であるべきなのですから。